ミーコとルンタは塔を見上げていた。
ミーコ「この塔をこうりゃくしなくてはならないのね。手ごわそうだわ」
ルンタ「ドキドキするわね」
ミーコとルンタは塔に入った!
案内人チャッピー「いらっしゃいませー」
ミーコ「あれ? 意外とおだやかな雰囲気…」
ルンタ「それに、思ったより明るいわ」
案チャ「こんにちは。ご用のかたはお気軽にお声をおかけくださいー」
ミーコ「あらアンタ、あたしの故郷のチャッピーによく似ているわね」
案チャ「いやいやこんなのよくある柄ですよ。それはそうとお客さん、かんこうにいらしたんですよね。ぼくはかんこう客のみなさんにこの塔の中をあんないしています。ちなみに英語もしゃべれるよ」
ミーコ「えっほんと? しゃべってみて!」
案チャ「ハロー、マイネームイズチャッピー」
ミーコ「すごーい」
ルンタ「Could you tell me how tall is this tower?」
案チャ「聞き取りのほうはできないんです。では行きましょう」
ミーコ「あんないのネコがいるなんてラッキーだね」
ルンタ「そうね。まものがいっぱいいるんじゃないかって心配しちゃったけど、これならだいじょうぶね」
案チャ「上の階にまいりまーす。エレベーター方向へおすすみくださーい。お足もとご注意くださーい」
ミーコ「エレベーター?」
ルンタ「なにかしら」
案チャ「上の階に行くためののりものですよ。はいどうぞー。お入りください」
ガラララ ガッシャーン
ミーコ「!」
ルンタ「!」
ミーコ「ドアがしまった。とじこめられたわ!」
ルンタ「これは罠!?」
ミーコ「ルンちゃんどうしよう!」
ルンタ「どうしよう!」
案チャ「はじめてのお客さまはみなさんそうおっしゃいます。でもだいじょうぶですよー」
ミーコ「(ぶるぶる)」
ルンタ「(ぶるぶる)」
案チャ「30秒ほどでさいじょう階につきまーす。そのかん、まどの外の眺めをお楽しみくださーい」
ミーコ「!」
ルンタ「!」
案チャ「あちらにみえますのが、マウントフジでございまーす」
ミーコ「(ぶるぶる)」
ルンタ「(ぶるぶる)」
ポーン♪
案チャ「さいじょう階につきましたー。ではどうぞー」
ガララララーン
ミーコ「(あ足がすくんでうごけないよ!)」
ルンタ「(おおおおちついて! だだだいじょうぶよ!)」
ミーコとルンタはかろうじてエレベーターから出た!
案チャ「ではぼくはこれで」
ミーコ「えっ!」
ルンタ「そんな。わたしたちこれからどうしたらいいの?」
案チャ「ここからはお客さまがごじゆうにお楽しみください。ぼくは次のあんないの仕事がありますので!」
ミーコ「えっでも! あー」
ルンタ「行っちゃった…」
ミーコとルンタは塔の最上階に取り残された。つづく。