ミーコとルンタは見習いチャッピーの案内でまかい商事にむかっていた。
見習いチャッピー「はやくはやく! こっちだよー!」
ミーコ「ハアハア。ちょっと、そんなに走らないでよ!」
習チャ「えーだっておねえさん勇者でしょ!」
ミーコ「だからミーコはずのう派なんだってば。走るのはにがてなの!」
ルンタ「ルンちゃんもー」
習チャ「なんだあ。勇者ってたいしたことないんだね!」
ミーコ「まあっ、なまいきなチビネコね。かんぶつやさんの苦労がわかるわ」
習チャ「ぼくはあんなとこで下働きしてるようなネコじゃないんです! おおきくなったらほんものの勇者になるんだもん」
ミーコ「ハイハイ。わかったからいまはてきせつに道あんないしてよね」
ルンタ「もっとゆっくり歩いてー」
習チャ「しょうがないなあ」
ミーコ「もうっ。としうえにはちゃんと敬意をはらうのよ!」
習チャ「そういう考えかたはちがうと思います! ねんれいじゃなくて、能力をみるべきです!」
ミーコ「ハイハイ。じゃあボクにはどういう能力があるのかなー?」
習チャ「むっ。こどもあつかいしないでよ! ぼくにはいろんな能力があるんです! まだよくわかんないけど」
ミーコ「うんうん。あるかもしれないし、ないかもしれないねー」
習チャ「きっとあるよ! いまさがしてるところなんです」
ミーコ「うんうん。あるといいねー」
習チャ「…」
ミーコ「あら。どうしてたちどまるの?」
習チャ「つきました。あのたてものがそうです」
ミーコ「え、あれ?」
ルンタ「ごくふつうのたてものにみえるわね」
習チャ「あの、ぼくここまででいいですか」
ミーコ「えっなんで? いっしょに行って、このにぼし大袋をとどけようよ」
習チャ「でも…」
ルンタ「なにをモジモジしているの?」
習チャ「いえ、ちょっとあそこはぼく、イヤかも…。なんかブキミなんです。夜になるとたくさんの目が光ってるのがまどごしにみえるんだって」
ミーコ「それってよくある学校七不思議みたいなもんじゃないの? ミーコの故郷の村にもあったよ! 夜になると集合写真のネコたちが出てきて校庭を走りまわるの」
ルンタ「それにいまは昼よ」
習チャ「でっでも。あっぼくもうお店の仕事にもどらなきゃ! じゃあそ−ゆーことで!」ひゅーん
ルンタ「行っちゃった…」
ミーコ「学校七不思議がこわいなんて、なんだかんだ言ってまだまだこどもね!」
見習いチャッピーは逃げたが、どうやらまかい商事に着いたようだ。つづく。