配達員チャッピーは、ネコが手紙を書かない現状に憂いを抱いていた。
ミーコ「手紙ねえ」
ルンタ「書かないわよねえ」
配達員チャッピー「なぜネコは手紙を書かないのか。ぼくは深く深く考えました」
ミーコ「うん」
配チャ「もしかすると、書きたいけど書きかたがわからないのではないか。そう思いいたり、こんな本をつくりました」
配チャ「手紙の書き出し、しめのことばのていけい句にはじまり、時候のあいさつや、さまざまなシチュエーションでつかえる各種文例をまとめています」
ミーコ「へえー」
配チャ「さらには、相手が先ぱいか、後はいか、あるいはとりひき先のえらいネコかなど、状況におうじた文体の使い分けについてもくわしくかいせつしています」
ミーコ「手紙ってけっこうめんどうなんだね」
ルンタ「でも、そういうもんだいなのかしら?」
配チャ「そこです。たしかに、そういうもんだいではないのかもしれません。ぼくはさらに深く考えて、そもそもみんな字が書けないのではないか、と思いいたり、こんな本もつくりました」
配チャ「これをよめばあなたでも字が書けるようになりますよ」
ミーコ「しつれいね。ミーコは字くらい書けるわよ!」
配チャ「えっ。あなた、字が書けるのに、なんで手紙を書かないんですか?!」
ミーコ「なんでって。べつに書くひつようないし」
配チャ「ともだちがいないとか」
ミーコ「しつれいね! いるわよ!」
配チャ「やっぱり書きかたがわからないのでは」
ミーコ「そういうもんだいじゃなくて!」
配チャ「この本をよめば…」
ミーコ「だから、そんな本よんだって、手紙書くネコなんていないって!」
配チャ「そうですか…。だめですか…」しょんぼり
ルンタ「あらら…」
ミーコ「えっ。あの」
ミーコ「えっと!」
ルンタ「えーと?」
ミーコ「そうだ! ミーコお手紙書くわ! なんかとつぜん書きたくなってきた!」
ルンタ「ルンちゃんもー」
配チャ「ほんとですか!?」
ミーコ「うん! えーと、そうね、故郷の村のマーボ王に手紙を書こうっと!」
ルンタ「じゃあルンちゃんは、ミーコちゃんの故郷のルナさんに書くわ。ルナさんはルンちゃんの生き別れたおねえさんかもしれないし!」
ミーコとルンタは手紙を書くことにした。つづく。