ミーコが助け起こしたネコは、ぎんゆう詩人の兄を名乗った。
ミーコ「今度は兄か。このへんはぎんゆう詩人の血縁がはびこるキケン地帯ね!」
ルンタ「お兄さんは何をしているの?」
ぎんゆう詩人?チャッピー改め兄チャッピー「ぼくは無職です。いわゆるプータローだよ」
ミーコ「あらプータローとは気の毒ね。あたしは勇者ミーコよ。こちらのルンちゃんは魔法使い」
ルンタ「はじめまして」
兄チャ「おふたりとも職業があってうらやましい。ぼくも職につきたいな」
ミーコ「うんうん。職業はあったほうがいいわよ」
兄チャ「できのいい弟たちのおかげで生活にはこまっていないんですが」
ミーコ「できがいいかなあ」
兄チャ「にしてもこのままではいけないと思い…」
ルンタ「ええ」
兄チャ「まず、森でどんぐりをたくさんあつめて、それらを売ってもうけることを思いつきました」
ミーコ「ふんふん」
兄チャ「ところが町に売りに行くとちゅうで、めぐまれないネコの集団に出会ってしまい…」
ルンタ「まあ」
兄チャ「どんぐりをぜんぶ、おもちゃ代わりにあたえてしまったのです」
ミーコ「ありゃ」
兄チャ「つぎは、森でまつぼっくりをたくさんあつめて、それらを売ってもうけることを思いつきました」
ミーコ「ふんふん」
兄チャ「ところが町に売りに行くとちゅうでまた、めぐまれないネコの集団に出会ってしまい…」
ルンタ「まあ」
兄チャ「まつぼっくりをぜんぶ、おもちゃ代わりにあたえてしまったのです」
ミーコ「ありゃー」
兄チャ「そういうわけで、つぎは森で何をあつめようか思案しているところです」
ミーコ「いやそれ、もうループに入ってるから! なにあつめてもムダだと思う」
兄チャ「こんなぼくですが、もしお役にたてることがあれば…」
ミーコ「うーん? 気持ちはうれしいけど」
ルンタ「とかいのことをきいてみたら?」
ミーコ「あ、そうそう。お兄さん。とかいっていう場所しってる?」
兄チャ「ははあ、とかい」
ミーコ「うん」
兄チャ「ぼくも以前、職をもとめてとかいをめざしたことがありました。しかしすこし歩くと睡魔におそわれてしまい」
ルンタ「まあ」
兄チャ「結局たどりつけなかったのです」
ミーコ「とかいをめざすと何かがおそってくるの? それはキケンね」
兄チャ「そうなんです」
ミーコ「こまったな」
困惑するミーコ。つづく。