猫庭(ねこにわ)というのは、フェンスとネットで囲まれた庭の一領域のこと。掃き出し窓のある部屋に面して作られています。猫たちは、小さな扉を経由して室内と猫庭とを自由に行き来できます。猫たちが日差しや風を浴びたり、お昼寝をしたりするためのスペースです。
屋外からも出入りできるように、人間用の扉がついている。
扉を開け閉めするときは、猫が飛び出さないように注意!
家を建ててくれた地元の工務店さんに相談しました。うちに来てもらって、現場を見ながら、この場所にこういうのを作りたい、ということを説明しました。そして見積もりを出してもらい、いざ着工。2週間かそこらで完成したんじゃなかったかなぁ。
ただし、フェンス完成時点で天井は吹き抜け。猫がフェンスをよじ登って逃げ出すこと必至。そこで、まずはネット(網)を購入。サイズを指定して注文できるネット屋さんをWebで探して注文しました。グランドネットさんというお店で買いました。あとは、このネットを天井に固定するだけ。結束バンドで固定しています。
それを、結束バンドで留めただけ。
続いて、猫の出入口を取り付けます。ホームセンターに売っていた猫用出入り口を網戸に固定します。これは、説明書のとおりに作業するだけ。ただしうちの場合は、風避けのパネルをはめ込めるように工夫がしてあります。詳しくは妻の解説ページを参照してください。
せっかく猫庭を作るのなら、一緒にキャットウォークも作りたいところ。うちの場合は、物干し台を兼ねる構造物を妻が自作しました。
さらにうちの場合は、余っていた屋外用の水受け(流し)を埋め込んで猫トイレにしています。このトイレの中には、ハイドロカルチャー用の人工用土(セラミスとハイドロボール)と、水槽用の砂利が入れてあります。いずれも、捨てるに捨てられず、困っていたもの。この屋外トイレは、チャッピーとノンノがときどき使っています。おしっこは土にしみるか乾くかするのでほったらかし。大のほうはスコップで掬って燃えるごみへ。
猫庭は猫にとっても人間にとっても、楽しい素適な空間だと思います。猫庭でくつろぐ猫ズを眺めているのは幸せなひとときです。
至福のひととき
しかし、注意すべき点もあります。猫庭を導入する際にはご留意ください。
小さな子猫は隙間から逃げ出しちゃうかも。生後2ヵ月とかの子猫はかなり狭い隙間も通り抜けてしまいます。ある程度大きくなるまでは、猫庭に出さないほうがいいでしょう。
へんなものを食べちゃうかも。猫庭では、コオロギ、蝶、蛾、カナヘビなど、小さな生き物が猫たちの犠牲になります。これらを食べちゃう猫もいるでしょう。特にうちで心配なのはアマガエルです。たくさん生息していて、猫たちはしょっちゅういじめています。カエルを食べるとマンソン裂頭条虫に寄生される危険性があるので、カエルがいる季節は外に出さないほうがいいかもしれません。うちでは、そんときはそんときだと割り切って出しっぱなしにしていますけれども。。。
へんな生き物を部屋に運び入れる。上記に関連したことですが、猫庭でつかまえたコオロギとかアマガエルとかを猫が部屋に運び入れることがあります。コオロギなんかだとまだ捕まえやすいのですが、以前、蝶(サトヒマダラヒカゲだったかな)が部屋を飛び回ったときはたいへんでした。
このあとルナは、アゲハを部屋に運び入れた
野良猫に遭遇するかも。屋外暮らしの猫とフェンス越しに遭遇する可能性があります。その際に、喧嘩して怪我をするかもしれませんし、なにかしらの病気に感染するかもしれません。
毒蛇に遭遇するかも。うちにはたまに、ヤマカガシがやってきます。ヤマカガシはよほど深く噛み込まない限り毒を注入することはないようですが、猫がちょっかいを出したら本気で噛んでくるかもしれません。
そんなわけで猫庭の猫は、屋外にひそむ危険にさらされます。猫と飼い主に幸せをもたらす空間であることはたしかですが、ある程度のリスクが発生します。
ここで考えたいのは、猫にとって幸せな暮らしとはどんなものかということです。無菌室のような完全に安全な空間で暮らすのが幸せだとは言えないでしょう。逆に、屋外のみで暮らすのも幸せではないでしょう。両者の中間のどこかに最適解があるはずです。しかしその解は、猫を飼う人それぞれによって別のものになるでしょう。うちの基本方針は「基本は室内飼育で、昼間は猫庭を開放する」というものです。みなさんも、ご自身のライフスタイルや価値観に基づいて考えてみてください。
2018/09/20 Nyangle