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ツレツレクンができるまで

自作カヤ浮子「ツレツレクン」の作り方を紹介します。市販されている浮子のようにきれいには作れませんが、とりあえず浮子として機能しているようには思われます。

今回作るのはメーター両ダンゴ用の3本。これを2セットまとめて作ります。


設計図を描く


「描く」だなんて言うと大層なことに思われますが、実際は殴り書きです。脚、ボディー、トップの長さをメモしておくだけ。

この程度のものならなくても構わないのかもしれませんが、この程度のものでもあればあったで役に立ちます。脚をボディーに差し込むときなんかに迷わなくて済んだり。

というわけで、ボクは必ず設計図を用意します。


脚を作る


1ミリ径のソリッドを脚とします。これを、設計図に描いた長さプラス2センチに切断します。余分な2センチをボディーに差し込むことになります。今回は5cm、5.5cm、6cmの脚とするので、7cm、7.5cm、8cmに切ります。ちなみに、大きな浮子を作るときはプラス3センチくらいにするといいでしょう。

ニッパーで一気に切ろうとするとソリッドの繊維がほぐれたりするので、小刀を使って切ります。小刀の刃をソリッドにあててコロコロと回転させながら少しずつ切っていきます。

切断できたら、両端を軽くペーパーがけしておきます。こうしておくと繊維のバリが落ちて気分がいいし、それにボディーに差し込みやすくなります。



脚の先端をふくらませるための紙片を用意します。袋に入って売られているシャツなんかに入っている薄い紙を使っています。半紙でもいいのかもしれません。この紙を写真のような形に切り抜きます。



この紙片の一方に木工用ボンドを少しつけて、ソリッドの先端に巻きつけていきます。



写真は巻き上がったところ。木工用ボンドが乾くまでこのまま放置。半日くらい置いておくといいでしょう。この間にボディーを削ります



脚を作るついでに、トップを差し込むためのソリッドも用意しておきます。2cmのソリッドを浮子の本数分用意します。半分くらいをボディーに差し込んで、残りの部分にトップを差し込みます。

以前、この部分にカーボンソリッド(黒い)を使ってみたことがあるのですが、そうするとトップのつけ根がうっすらと黒くなって感じが悪いです。なので白いソリッドをお勧めします。

これらのソリッドも、切断したら両端を軽くペーパーがけしておきます。



木工用ボンドがしっかり乾いたら、脚の先端にアロンアルファを塗ります。こうしないと、ペーパーがけしたときに紙がほぐれてきます。

瞬間接着剤とはいえ、この場合モノとモノとを接着しているわけではないので、乾くのに時間がかかります。半日くらいは放置しておきたいところ。



アロンアルファが乾いたらペーパーをかけます。240番あたりで大雑把にやすって、400番あたりで仕上げます。写真はペーパーがけが済んだ状態。



脚に色をつけます。今回は赤にしてみます。

トップを塗装するための蛍光塗料を使ってみました。刷毛で塗ったらきれいに仕上がるかもしれませんが、ドブ漬けで十分なようです。

以前はこの部分を黒くすることが多かったのですが、そのときは筆ペンで塗っていました。


ボディーを削る


まずはカヤを切断します。ボディー寸プラス2ミリ(か3ミリ)に切ります。

カッターナイフの刃をあてて転がします。一気に切ろうとするとカヤの丸みがつぶれたりするので、何度も転がして少しずつ繊維を切っていきます。

切断できたら、400番あたりのペーパーで切断面のバリを落とします。



トップ側8ミリのところと、脚側3センチのところにメンディングテープを巻いておきます。こうしておくと、カッターナイフで裂いたときに裂きすぎる危険を回避できます。また、どこまで裂くかの目安になります。



トップ側(肩のところ)を削っていきます。まず、中心に刃をあてて、メンディングテープの位置まで裂きます。



トップ側は十字に裂きます。そして、扇形の中心に、ボールペンで印をつけます。



カッターナイフで削ります。このあとペーパーで整えるので、写真程度に粗く削っておけば十分でしょう。



写真は、ペーパーで形を整えた状態。カヤの内側の綿も、形を整えます。



次に、脚側を裂きます。肩の部分と同じように、メンディングテープの位置まで裂きます。トップ側は十字に裂きましたが、脚側は1回裂くだけでいいでしょう。



写真のようにカッターナイフで削ります。大雑把に削っておけば十分です。



ペーパーで形を整えます。

肩側にしろ脚側にしろ、この削り方でボディー形状が決まってきます。好みのボディーを形作るには、多少の試行錯誤が必要になってくるかもしれません。


ボディーの成形


裂いたところに木工用ボンドをべったりとつけます。脚側と肩側の両方につけます。そして、つまようじで内部に押し込んでおきます。



タコ糸を巻きつけながらカヤを絞っていきます。脚側のほうが簡単なので、おいらはいつも脚側から巻きつけます。



絞りつつ、巻いていきます。きつく巻きすぎるとカヤに糸のあとが残るので、ほどほどの強さで巻きます。



残り1センチくらいになったところで脚を差し込みます。ボディーの中心にうまく差し込んでください。といっても、けっこうズレたりします。センターが多少くるっていても釣果に大きな影響はないので、おおむねセンターが出てればいいことにします。



脚のつけ根付近まで巻いたら、肩側に巻き上げます。そして、肩を絞ります。

おおむね絞れたところでトップ用の芯(2cmに切ったソリッド)を差し込みます。脚よりもセンターを出しづらいです。



肩が絞れたところで確認。写真のように持って、脚をクルクル回転させます。センターが出ていればブレずにきれいに回るはず。でもたいていブレます。ここで脚なり芯なりを調整して、ブレをなくすように努力します。



巻き上がったところ。半日ほどこのまま置いて乾燥させます。


ボディーを磨く


木工用ボンドが乾いたらタコ糸をほどきます。メンディングテープもはがします。



肩の合わせ目にボンドのカスが残っています。タコ糸で絞ったところには巻き跡が残ってしまいました。これらを落とすために、240番のペーパーで磨きます。カヤの皮を1枚はがすくらいに擦ります。



擦ったら、合わせ目のところにアロンアルファを塗ります。写真は肩側の合わせ目ですが、脚側の合わせ目にも塗ります。そして半日ほど乾かします。

写真をよく見ると、カヤの表面が粉っぽくなっているのが分かります。240番という粗いペーパーで擦ったからです。

アロンアルファが乾いたら、こんどは400番あたりの細かいペーパーで擦ります。表面についたアロンアルファを落とすと同時に、粉っぽい表面をツルツルに磨きます。


トップをつける


釣具屋で買ったトップ6本。8cmを4本に10cmを2本買ったつもりでいたのだけど、なぜか10cmが6本でした。

今回は、元径1.6ミリ、先径1.2ミリの中太という太さのトップにしました。標準的な太さは中細だと思います。今回は重めのダンゴも背負えるよう、ちょっと太目のトップとしました。



ここで設計変更。トップの長さを変えました。というのは、5ミリ単位じゃさびしいような気がしたものですから。それに、5ミリ単位だと色の境目でうまく切れないし。



というわけで、7cm、8cm、9cmにトップを切ります。カッターナイフの刃を当てて転がせば簡単に切れます。

今回は付け根に黒帯が来るように切ってみたのですが、ふつう、根元に黒帯はないみたいです。根元が黒かったら見やすいような気がしたのだけど、どうですかねぇ?



この時点で、接着剤をつけずにトップを差し込んでみます。写真のようになります。ボディーに対するトップの座りが悪いですよね。



そこで、ボディーの先端をちょっとだけ切り落とします。写真、向かって左が元の状態。右が切り落とした状態。



ここでもう一度トップを差し込んでみます。なんだかおさまりがよくなりました。



いよいよトップを取り付けるのかと思いきや、その前に補強。

使っているうちにボディーの合わせ目が開いてしまうという故障を防ぐために、ボディーの両端に03のハリスを巻きつけます。今回作ったような小浮子だったらこの作業は必要ないかもしれませんが、大きめの浮子だとときどき壊れます。おいらは念のため、小浮子にも巻きつけるようにしています。

アロンアルファ少量を塗ってから何回か巻きつけ、最後は結わえます。そしてハリスの両端を先の細いハサミ(鼻毛切りがお勧め)で切ります。

写真は脚側。



トップ側も同じように巻きつけます。傾斜がきついぶん、こっちのほうが巻きづらいです。



いよいよトップの取り付け。セメダインのような、速乾性じゃない接着剤を軸の先端に少量つけて、トップをクルクルと回しながら差し込んでいきます。ここでアロンアルファを使うと、トップが根元に到達する前にくっついたりするので注意。

差し込んだら脚をつまんで浮子全体を回転させ、トップがまっすぐ付いているか確認します。トップの位置を調整し、まっすぐになったらトップの付け根にアロンアルファを染み込ませて補強します。

次はいよいよ塗装ですが、塗装の前に丸1日くらいは乾燥させておくといいように思われます。


塗装して銘を入れる


塗装のための道具一式。

うるし(今回、色は本透明)、うるし用のうすめ液、筆、パレット(「ごはんですよ」のふた)。右端の白い器は筆を洗うために使おうと思ったのだけど、結局使いませんでした。筆は、うすめ液にさっとひたしてティッシュペーパーで拭う、という方法で洗いました。

「ごはんですよ」のふたにうるし少量を絞り出して、筆を薄め液に浸して、その筆でうるしを混ぜて、あとはボディー全体と脚先の赤い部分に塗るだけ。



塗ったらこのように洗濯ばさみで吊るして乾燥。乾燥するのに12時間から24時間くらいかかります。手で触ってみてペタっとした感触があったらそれはまだ乾いていません。半乾きの状態で上塗りするときれいに塗れないので、しっかり乾燥させます。

2時間くらいで乾く水性ニスを使うのも手かもしれませんが、どういう仕上がりになるのか知りません。以前、油性ニスを使ったことがあるのですが、これはウキを実際に使ったときにボディーが水になじまない感じがしてイマイチでした。



しっかり乾燥したら、1000番くらいの細かいペーパーでやすりがけします。ペーパーを水につけて、軽くボディーをこすります。

そしたら2回目の塗装。そして乾燥。そしてペーパーがけ。
そしたら3回目の塗装。乾燥。ペーパーがけ。



塗装が3回終わったところで銘を入れます。油性の細いマジックペンでボディーに書き込むだけです。新聞紙の折り目付近になにやら小さな文字が書き込まれていますが、これは下書き。ちなみに、「ツレツレクン/md50 2004.6」と書かれています。



こんな感じに書き込みます。

書き込んだらドライヤーで乾かします。あるいは何時間か放置します。

マジックペンのインクがしっかり乾いたら最後の塗装をします。銘を入れたあとは、うるしを薄めずに塗ります。また、銘の上を何度も刷(は)かないようにします。薄いうるしで塗ったり、あるいは何度も刷いたりすると、マジックペンで書いた文字がにじむことがあります。


これが乾いたら完成です。ペーパーがけをすると艶が鈍るので、最後はペーパーがけをしないほうがいいでしょう。それでも、塵(ちり)が付着していたりしたら、その部分だけペーパーで擦ってもいいかもしれません。


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