釣行記−2002年
2002年6月2日日曜日、霞ヶ浦、マルトボート、9.9馬力。
第20回 3キロトーナメントに参加してきました。あんまり釣れなかったみたいです。
6時スタート。みんなの出船を見送りつつ行くべき場所を考える。根拠はないが今日はブレークを中心にやることに決めている。ざっと見渡すと、土浦港に入っていく船が多い。土浦港も今日のターゲットのひとつではあるが、人気薄の石田のブレークに行ってみる。一番期待できる3番から。
3番ブレークの田村寄りにトリイさんがいる。3番ブレークの新川寄りに入る。まずはディプシードゥ3(サスペンドじゃないやつ、というのはサスペンドが売ってなかったから)を10投ほど。ゴリゴリと小突いても無反応。次はバイブレーション。ビューンと投げて巻くだけ。バイブレーションの2投目にバイト。クルクル巻いていたらゴゴンと乗った。ちょうど1キロくらいのいい魚。まだ6時10分。
しばらくバイブレーションを投げ続ける。1回乗ったがジャンプでバレた。700g前後だろうか。
石田の2番ブレークもやってみる。ここでもバイブレーションを投げる。1回乗ったが水中でスッポ抜けた。ま、そんなこともあるだろう。
アシの様子も見てみる。スピナベとバズとテキサスでやってみるがノーバイト。
土浦港のハードボトムでバイブレーションを投げてみる。リフト&フォールでやっていると、プルプルとした感触。なんだよボラがラインにあたってるよ、と思いつつ巻いてきたら小ぶりなバスが付いていた。そのままスイっと抜きあげたら落っこちた。まったく根性のないバスだ。一度食らいついたバイブレーションは死んでも離さん、くらいの気概がほしい。いいとこ500グラムくらいか。
開始早々に1本釣れたのはいいが、あとはバラシ3回。石田、田村、土浦港と回ってみたが一向に釣れない。気が付けば11時。このころ南風がいくらか吹いてきて、白波寸前くらいにまでなった。こういうときはブレークに魚が回ってくるはずだ。あるいは、ずっとそこにいた魚がようやく食い気を出すはずだ。ということで最後の1時間は石田の2番でがんばってみる。逆風をものともしないバイブレーションを投げ続けるがノーバイト。で、時間切れ。
検量の結果は1060グラム。参加13組中第5位。優勝ウェイトとの差は500グラムほど。今日はみんな苦戦していたらしい。そんななかで1本釣れただけでもマシなほうだ、くらいに思っておこう。
そのほかの結果については「第20回 3キロトーナメントの結果」でどうぞ。
2002年5月19日日曜日、霞ヶ浦、マルトボート、6馬力。
KENさん主催のKENBASS ALLSTAR CLASSIC 2002に参加。このトーナメントはその名が示すとおりスターが集まって開催される。過去1年間に3キロなどのローカルトーナメントで上位入賞を重ねポイントを稼いだ強豪たちが招待され、1年間の精進の成果が試される。おいらはこの1年間にたいした成績をおさめたわけじゃないが、去年のALLSTAR CLASSICで4位入賞を果たしたために今年はシード権を持っている。なので戦績に関係なく招待される。ああ、ありがたい。
トーナメント開始の1時間前、4時半ごろに受付に到着。KENBASS ALLSTAR CLASSICのほかに3つのローカルトーナメントが開催されるだけあって混雑気味。船の予約はしていなかったが、自動的にキープされている可能性が高いと読んだ。もし船がなかったら余っている船でやればいい。なんならローボートにエレキだけでも十分だ。という程度の低い志を抱いて受付に到着。そしたらおいらの読みどおり、6馬力船が予約されていた。おいらが来るであろうことはマルトのおっちゃんにはお見通しだ。ああ、ありがたい。
今日の作戦はアシに絞る、だ。ブラックバスは滅多に釣れないので、ブレークなんかでじっと我慢しきれるもんじゃない。ブレークでがんばるためには、魚はいつか必ずここを通りかかる、という強い信念を持ち続ける必要がある。この信念はマメに通って養う以外にない。バス釣りからさっぱり遠ざかっているおいらにその信念が持てるはずもない。なのでアシ。忙しくキャストし続けるアシ打ちなら集中力を持続させやすい。
持っていったロッドは3本。バズとスピナベとテキサス。これだけあれば十分だ。魚探も必要ないので家におきっぱなし。
5時半、トーナメント開始。みんながポイントに向かう様子を眺めながら、自分の向かうべき場所を考える。石田のアシに向かう人がいないようなのでそこに入ってみる。バズ、スピナベ、テキサスをとっかえひっかえしながらひと流しする。アシ奥の小さなポケットにフラグラブの1/4オンス・テキサス(ペグ止め)を落とすと魚体が翻る姿が見えた。合わせを入れると乗ったっぽいんだけど、なぜかドラグがゆるゆるになっていてバレた。その後はバイトなし。
風車の公園のアシ原に。備前川の河口あたりから流してゆく。バズメインでやってみる。アシ原の半ばあたりにワンドがある。ワンドの入り口から奥に向かって杭が整列している。その杭の際にバズを通すとポシャとかいって出た。乗ったんだけど、全然寄ってこない。で、バレた。こっちのリールもドラグがゆるゆるになっていた。同じ失敗を2度繰り返す大ばか者とはオレのことだ、などと自嘲してみたり。その後はバイトなし。
大室のアシ原に向かうつもりで船を進める。通りがかりに花室川を見やってみれば、人がほとんどいない。河口付近にヘラ釣り風の釣り人が二人いて、バス釣りの船がひとつ入っていて、バス釣りのオカッパリの人がひとりいるだけ。これだけ人が少ないならやらない手はなかろう、ということで川を流してみる。おもにスピナベでやる。河口から上流に向かって左側の岸は草やら木が覆いかぶさっている。その際にスピナベをピッチングして、表層付近を1mかそこら引く。この動作を繰り返しながら進む。最初の橋とのちょうど中間あたりにさしかかったところでバイト。7時45分、500g。バネバカリで計ったわけじゃないが、たぶんこれくらいのウェイトだろう。どうせ3本も釣れないから、マーカーは付けずにそのままライブウェルに。
そのとき彼はこう思った。
おいおい、なんか釣れたよ。これってもしかしてブラックバスか? ヘラに比べるとなんだか凶暴そうだけど、なかなかかわいい魚じゃないか。いやはや、幻の魚だって聞いてたんだけど、ちゃんといるこたいるんだねぇ。なんかむちゃくちゃ嬉しくなってきたよ、わざわざ高速に乗ってやってきた甲斐があったというものだ。
にわかに気をよくした彼はスピナベを投げ続ける。橋のところにまでやってきた。オカッパリの釣り人がいるのでその先には進めない。スピナベを投げつつ下ってゆく。8時半ごろには、最初に釣れたあたりに差し掛かっていた。ここでも彼のスピナベにアタリが。たいしたサイズじゃないので抜きあげると、空中で針から外れ、デッキの上に魚が落ちる。足元でパタパタと跳ねているのをすかさず両足で挟みこみ、その上に両手を被せひと安心。これも最初の魚と同じ程度の大きさだ。「500グラムくらいかな」などと余裕を見せようとしているらしいが、内心はもう浮かれ気分でいっぱいだ。8時30分、500g。
まさかねぇ、2本も釣れるとはねぇ、いや驚いた。椎の木湖で練習した成果だなこりゃ。ヘラから学ぶことが多いよ、ってあとでみんなに言いふらそ。今日はもう大満足だ。
などとご満悦だが欲深い彼がこれでほんとうに満足するのだろうか。
花室川を打ち切った彼は船を沖に進めライブウェルの水を入れ換える。半分ほどの水を捨て、捨てた分を汲み上げる。これからどこに行こうかと思案していると、高木さんがやってきた。釣れてないという。大室のアシやった? と尋ねると「やったけどいない」と言っている。花室川を指差し「オレいまそこでふたつ釣ったよ」と自慢げに言う彼は、「ふふ、高木さんが釣らなかったということは、まだ魚がいるんじゃないの」と自分の都合のいいように考え、大室のアシに行くことにする。
バス、スピナベ、テキサスを順繰りに打ってゆく。ワンドの中に入ったときカワセミが飛び去る。カワセミがいるとは素敵なエリアだ。釣りをするならこういうところが一番だ。とはいえやはり高木さんのおっしゃるとおり、魚のいる感じがしない。30分ほどであきらめる。
まだ9時半か。あと2時間以上あるよ。2時間で1本釣ればいいんだから、港でがんばってみるか。2時間かければ1本は釣れるでしょ。ふむ、これで3本揃うかも。
さっきまで大満足していた彼は既にこのときリミットメイクへの欲望をたぎらせていた。6馬力船で大室から土浦港に行くのはたいへんだが、どうせ最後には戻らなければならない。最後に慌てて帰るよりはよかろう。ということで戻ってゆく。途中、上空をオオタカかなにかの猛禽が横切ってゆく。これを見た彼は自分の決断が正しいことを確信する。土浦港に到着するとすかさずコアジサシの姿が目に入る。これで確信はますます確固としたものになる。
スピナベを外してフットボールジグを結ぶ。これで2メートル前後のハードボトムを打つ。魚探はないが、目印が多いので地形は分かる。しかしバイトはない。浮きアシをやってみる。途中でKENさんに出くわす。浮きアシで釣っているらしい。2600グラムくらいあるというから優勝候補だ。追いつくためには大きいのを2本釣らなければならない。でもそこまでは望んでいないらしい。大満足とまではいかなくとも、たしかにある程度は満足している。優勝はともかくあと1本釣れれば上出来ですって、という程度の落ち着きを保ちつつ、KENさんの真似をして浮きアシをやってみる。
KENさんが軽いワームをノーシンカーで落としているであろうことは想像がつく。バズベイトが結んであったロッドに6インチ・センコー・ノーシンカーをリグる。これをキワに落とし込んでゆく。が、そんな釣りはほとんどやったことがないのですぐに我慢の限界に達する。着底まで20分かかる、くらいに思われる。カットテールみたいなのをノーシンカーで落としていられるKENさんの偉大さを思い知ると同時に、重たいフットボールに反応する魚は逆にKENさんのルアーには食わないのかもよ、などとここでも自分の都合のいいように考え、1/2オンス・フットボールジグを落とすことにする。が、やはりそううまくはいかないものだ。浮きアシはあまり粘らずにあきらめて、再びハードボトムへ。
フットボールジグをズル引いたり持ち上げたり泳がせたり叩いたりしてみる。しばらくたったころ、ズル引いていたジグにググと重みが加わった。合わせつつ巻き上げると確かな手ごたえ。ジャンプされることもなく無事ランディングネットの中へ。11時10分、1キロくらい。
うぉ〜マジかよ、ほんとに釣れちゃったよ、全部で2キロくらいになってるんじゃないの、これ。上位に入ってるかも。ああもうほんとに満足だな、まだ時間はあるけどもういいや。
とかいいながらかすかな期待を込めて釣りを続ける。とはいえこんどはほんとに満足したらしく、いい加減に釣りをしている。終了の12時までにまだ15分くらい残っているところでおしまいにする。みんなが帰ってくる前にのんびりと片付けでもしていたらいい。
検量の結果は2216グラム。参加32人中第3位。来年のシード権をめでたく獲得。えらい立派なトロフィーをもらった。それだけにとどまらず竿までもらった。イクシオーネXS 1160MLというベイトロッド。バズベイトあたりによさそうだ。ちょうどこういうのがほしかったところなんですよぉ。これで、バズとスピナベとジグとテキサスを全部リグりっぱなしにしておくことができて幸せ。おまけに釣果倍増と見た。
おいらが持ち込んだ3本のバス。
バスを持ったときの写真を撮られるときは、
このように両腕をいっぱいに伸ばすのがポイント。
そうするとバスが大きく見える。
さらに、上体をわずかに反らせ
口をきつく結んでアゴを引くと、
偉そうな雰囲気がかもし出される。
もひとつ言うなら、帽子を脱ぐのも一法かと。
帽子をかぶっていると、顔が真っ黒に写るので。
というか、この日は帽子を忘れただけなんだけど。
それではみなさん、よい被写体ライフを。
そのほかの結果はKENさんのページで。
いやなんにせよ、3位入賞とはラッキーでした。バス釣りもなかなか楽しいよ。