home → 野鳥と写真 → This Page
双眼鏡ほしいよ
先日妻は野鳥観察用の双眼鏡を買った。
それを見た物欲旺盛で負けず嫌いなおいらは
双眼鏡が欲しくなってきた。日本野鳥の会の「バードウォッチング入門」という記事によると、以下のスペックのものが野鳥観察に向くらしい。
- 倍率:8〜10倍
- 対物レンズ:20〜40mm
- 視角:6〜9度前後
倍率というのは拡大率のことだ。倍率10倍というのは1,000m先のものが100m先にあるかのように見える倍率だと考えておけば、だいたい正解らしい。カメラのレンズでいうと、500mmのレンズで見ているくらいの感じだろうか。それはなかなかいい感じの見え方だ。
対物レンズが何ミリかというのは、レンズの口径を言ってるようだ。カメラのレンズと同じように口径が大きければ明るいのだろう。口径が大きければ薄暗い木陰の中の鳥もよく見えて、具合がいい。しかし口径が大きくなると重くなり、フィールドでの機動力が損なわれる。明るさと重さのトレードオフだ。
- trade-off
- 同時に満たしえない幾つかの条件の取捨についての考量, トレードオフ; 交換条件, 見返り
(システムソフト電子辞典 リーダーズ英和辞典より)視角というのは、レンズの先に見える視界の範囲だ。この値が小さければ、狭い範囲しか見えない。広い範囲が見えた方が鳥が探しやすくていいが、倍率が高くなれば視界が狭くなる。逆に、倍率を下げれば視界は広がるが、その分、鳥の細かいところはよく見えない。これもまた、広さと大きさのトレードオフだ。
これら要素のほかにアイレリーフというものもあるようだ。どういうものかよく分からんのだが、Nikonの説明によると「アイレリーフが長い(ハイアイポイントの)双眼鏡は、のぞきやすく、長時間の観察も疲れにくく、メガネをかけたままでも使用できる」んだそうだ。普段メガネを使っているおいらにとって、この要素は重要かもしれない。
さらに詳しくは、あるいは厳密には、Nikonのページを参照。
上記の基礎知識を踏まえて各社のカタログを眺めていたら、実際的なスペックが見えてきた。何かにつけて言えることだが、ある性能を重視すれば別の性能が損なわれる。そのへんの折り合いをつけて必要な条件を考えた結果、次のようなスペックが見えてきた。
- 倍率は8倍。たぶんこの倍率が野鳥観察には最適だ。これよりも倍率が低いと小さな鳥が見にくいだろう。これよりも倍率が高くなると、重くなる。
- 対物レンズは25mm前後。大口径のものにすれば明るくて見やすいだろうが重くなる。25mm前後であれば携行しやすい重さの製品が見つかるだろう。
- 視角は6°あればいいことにしよう。
- 実物を覗いてみないとなんともいえないが、アイレリーフは15mmあれば十分だろう。
- 野鳥観察のほかに、釣りのときに船の上で使うつもりもあるのでできれば防水加工されているものがいい。
- 重さは500g以下じゃなきゃだめだ。できれば、300g前後が望ましいが、他の性能がよければ多少の重さは我慢する。
これら諸条件を踏まえて各社の製品を抜き出してみると、次のようになった。太字の部分は評価すべき美点。
メーカー 製品名 倍率(倍) レンズ径(mm) 実視界(°) アイレリーフ(mm) 重量(g) 防水 標準価格(\) Nikon シェルテII 8 25 6.3 14.3 450 ○ 27,500 Pentax タンクローM 8 21 6.2 13 195 × 13,000 タンクローG 8 24 6.2 15 270 × 16,000 タンクローWR 8 24 7.5 13 330 ○ 20,000 Olympus 8×25 WIDE PC 8 25 9.0 12 430 × 20,000 8×24 PC II R 8 24 6.0 16.5 280 × 16,000 Minolta ACTIVA 8×25 8 25 6 17 280 × 17,000 Canon 8×23AWP 8 23 6.4 11 400 ○ 23,000 みなさんは、上の表の中から何を選びましたか?
わたしは、唯一太字項目を3つもつ「タンクローWR」を選びました。近いうちに、買う、かも。
追記
このように、店に行く前の調査段階では「タンクローWR」という結論を出したんだけど、結局「タンクローG」を買いました。というのは、「タンクローWR」が売ってなかったからです。取り寄せてもらう手もあったんだけど待つのがいやだったので「防水性は重要じゃない」ということに急遽意見を変えました。使ってみて思うには、「タンクローG」は素晴らしい双眼鏡です。