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野鳥撮影の機材

野鳥撮影を始めてはや一年。ありあわせの機材で始めたのもつかのま、知らないうちに機材が充実しちゃってました。あら不思議。道具だけ見ればプロ級ですわ。実際フィールドで通りがかりの人にプロと間違われて話しかけられたことも何度か。

通りがかりの人々をも魅了しないではおかない素晴らしい撮影機材をご覧あれかし。


カメラF5

言わずと知れたニコンのフラッグシップ機。というように言われることが多いんだけど、フラッグシップってなんですか? はい、調べてみました。「旗艦」だそうです。そのままですねぇ。でもってこの場合は旗艦が転じた意味ですね。「グループ中で最も重要なすぐれたもの」だそうで。ニコン一眼レフ製品の中の最上級機種ですわ。ああすてき。

「予測駆動フォーカスにも対応する最高約8コマ/秒の高速連続撮影が可能」だそうだ。36枚撮りのフィルムを撮り切るのになんとたったの4.5秒。フィルムが何本あっても足りないよ。もっとも、実際に4.5秒も押し続けるとは思えんが、とにかくすごいってことで。過激なフィルム消費を恐れるおいらはまだ連続撮影機能を使ったことがありません。でもいつかこの機能を活用して鳥が飛んでいるところなんかを激写したいものだと夢見ています。

ちなみに、この8コマ/秒を実現するには別売のニッケル水素電池MN-30が必要だとのこと。欲しいか? 欲しいです。買いましたとも。8コマ/秒のために買ったわけじゃないけど、乾電池を買ったり捨てたりするのがいやだったのでこの充電式のMN-30を買いました。

なに、充電式? というわけで、専用のクイックチャージャーMH-30も購入。これでうちにはチャージャーが3台になってしまった。エレキのバッテリー用と電動リール(魚探)のバッテリー用とこのMH-30。どんなバッテリーにも使える汎用のチャージャーってないんですかね。なんだかチャージャー3つっていうのが無駄なような気がするよ。まあ試してみればVertexでなんでも充電できるような気もするけど、ちょっと危なっかしいじゃないですか。電気に詳しいあなた、そのへんどうなんです、教えてくださいよ。

それとついでに、マルチコントロールバックMF-28というのも買いました。これは要は裏ぶたでして、こいつに交換するとフィルムのコマとコマの間の隙間にシャッタースピードと絞り値を写し込めたりするのです。そういうのをあとから見れたら楽しいだろうなぁと思って買ったんだけど、案の定楽しい。ちょっと高いがあるといいかも。

でもってこのF5のなにがいいかってそりゃあなた、AF(オートフォーカス)の追従性でしょ。きっとF5のAF追従性は世界一ですよ。いや、ほかのカメラのことは知らないのだけど、たぶんそうなんじゃないかなぁと根拠もなく推測している今日このごろ。ちょこまかと動いている小鳥にピントがシャキっとついてゆく、そして飛び跳ねた瞬間激写。というのを夢見ています、はい。


F5に500mmのレンズを付けたところ。
この状態でもずいぶん長いが、
使うときにはこれにさらにフードが付く。
背後にあるのはレンズのケース。
Palmsのステッカーが貼ってあるのは
ほかの人のケースと区別するため。
もっとも、紛らわしい状況が起こりうるかは疑問だ。


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レンズAi AF-S Nikkor ED500mm F4D(IF)

鳥を撮るには超望遠レンズが必要だ。400mmF2.8、500mmF4、600mmF4の3本のどれにするか迷ったが、一番軽いこれにした。ちなみに400mmF2.8は4.8kg、500mmF4は3.8kg、600mmF4は5.9kg。500mmという十分な焦点距離、F4という十分な明るさ、3.8kgという十分な軽さ、というわけでいいことずくめ。

「レンズ内超音波モーター駆動方式により、高速でほぼ無音のAF撮影が可能」だそうだ。たしかに高速。スコン・シャキンとピントが合います。あちこち動く鳥をすばやくとらえてシャッターチャンスを逃さない、はず。スースーという静かな音が聞こえるから無音ということはないけど、ジージーというモーター音は聞こえない。

開放F値が4と明るいおかげで、曇った日でも写真が撮れます。晴れた日ならシャッタースピードが速くなる。ISO100で500とか1000が出る。鳥ってほら、ちょこまかと動いてることが多いじゃないですか。なのでシャッタースピードが速いっていうのはいいことですよ。

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テレコンTC-14EとTC-20E

「500mmという十分な焦点距離」と上に書いたけど、小鳥の場合実際はもうちょっとほしい。カモとかハトとかカモメなら500mmで十分なんだけど、警戒心の強い小鳥を撮るときは焦点距離をもうちょっと稼ぎたい(ことが多い)。

TC-14Eは焦点距離を1.4倍にしてくれる。500mmに付ければ焦点距離は700mm。その代わり開放F値は5.6に落ちる。まあでも5.6なら問題なし。おいらはほとんどの場合このTC-14Eを付けて撮ってます。これを付けてもAFは問題なく動きます。テレコンを付けるとAFが遅くなるという話しをどこかで聞いたことがあったけど、別にそういう感じは受けないなぁ。

TC-20Eを付けると1000mmF8ですわ。1000mmっていうのはすごいですよ。近寄れない鳥も大きく写りますわ。しかしF8っていうのはちょっと厳しいかも。晴れた日ならいいんだけど、ちょっと曇ってきたりするとシャッタースピードが遅くてたいへん。三脚を使ったほうがいいような気がする。でも三脚って重いからたいへんなんだよなぁ。しかも設置するのに手間どるし。設置してるあいだに鳥は飛んでっちゃいますわ。あとそれと、開放F値が8になっちゃうからAFが利かない。これも難点。一応は動くんだけど、あまりアテにならん。そんなわけで、TC-20Eを使う状況は限られてきます。三脚を据えて鳥が来てくれるのをじっと待つような場合にはいいけど、歩きながら鳥を探して見つけたらとっさに撮る、というやり方にはあまり向かん。

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三脚、一脚、雲台

写真の入門書や入門記事などには、500mmなどの超望遠レンズを使うには三脚が必須だと書いてあったりする。それをマに受けたおいらは三脚を買った。スリックプロフェッショナルIIというやつ。丈夫な感じでたぶん申し分ないと思うんだけど、重たいのであまり使わない。フィールドを歩き回りながら鳥を探して撮るということが多いので、三脚はあまり使わない。ただでさえ重いのに、三脚まであったら肩が痛くてたいへんだ。

とはいえ、TC-20Eを使いたいときや、あまり歩かないときや、暗くてシャッタースピードが遅くなるときは、がまんして使うこともある。たしかに、手ぶれ率は減る。でもその分、シャッターを切る回数も減る。設置したり固定したりしている間に鳥がいなくなることが多いので。

雲台は、いつも自由雲台を使っている。アルカスイスのモノボールB1。これはたぶん、最高級・最高性能に属する製品なんだと思う。動きの滑らかさや固定したときの安心感は、素人のおいらでも惚れぼれするよ。おいらが持っている工業製品の中でもっとも精緻なものがたぶんこれ。いや、これはほんとに、持ってるだけで嬉しくなっちゃうような製品ですわ。メタニウムとかの比じゃないですよ。

モノボールを買う前はベルボンPH-263Qという自由雲台を使っていたんだけど、これは500mmレンズの荷重に耐えられなかった。肩に担いで運んでいるときにグラっとレンズがお辞儀しちゃって怖かった。これよりサイズの大きなPH-273とかなら平気だったのかもしれないが、少なくともPH-263Qは大口径超望遠レンズには使えない。モノボールに比べると動きもギクシャクしてて感心しない。といっても、値段が5倍とかなんだからあたりまえだ。それくらいの違いがなきゃモノボールなんて買ってられない。

三脚はあまり使わないが、一脚はよく使う。というか、ほとんどの場合一脚を使って撮っている。ハスキー3段というのを使っている。握りのところにテニスラケット用のグリップテープを巻いてある。滑りにくくてグー。釣竿のグリップにも巻いてるけど、とにかくおいらはこのグリップテープが大好きだ。

以前は一脚にも自由雲台を付けていたが最近は付けていない。理由は、あまり必要ないから。

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フィルム:プロビア100F・400F

カラーリバーサルフィルムを使っている。ネガよりも色が鮮やかだから。それに、いちいち紙焼きを作らなくてもいいから。紙焼きだと保管するのに場所をとってたいへんだよね。その点リバーサルはフィルムだけ保管すればいいからかさばらない。とはいえ、現像に時間がかかるのが難点ではある。ネガの場合は早ければ30分くらいで現像できるけど、リバーサルは翌日仕上がりとかになる。でもこれは、待ってるあいだワクワクできるからいいことにしよう。

基本はフジフィルムプロビア100F。記号でいうとRDP III。ふつうはこれを使う。別に根拠はないけど、たぶん、申し分ないんだと思う。

曇ってるときなんかは感度の高いプロビア400FRHP III)。感度が上がると粒子が粗くなると書いてあったりするが、おいらにはよく分からん。なんとなく粗い気がしないでもないけど、JPGにする分にはさほど影響はないと思う。なので光の足りないときは気にせずこのフィルムを使う。

以前は感度100のフィルムを増感して使うこともあったけど、最近は増感なんかせず最初から400を使うことにしている。増感すると現像が翌日じゃなくて翌々日になっちゃうんだよね。それにちょっと現像代が高くなるし。なので今じゃ増感はしない。

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なんと、最後まで読んでくださった。ご苦労さまでした。特別に、撮影風景をお見せしましょう。


だいたい冬はこんな感じ。釣り用防寒着上下を着て手袋をして毛糸の帽子をかぶってます。真冬でもこの服装でたいてい平気。双眼鏡をぶら下げてることが最近は多いです。機材はF5、AFS500F4+TC14E、一脚という組み合わせが基本、ですかね。ヒジをヒザに置くとレンズを固定しやすいので多くの場合こうやって片ヒザをついた体勢で撮ってます。どうも立って撮るとブレやすいような気がして。
2001-03-04、彩湖でが撮影。
FM10、シグマ600mmF8ミラーレンズ、一脚、RHP3


それではみなさん、よい写真ライフを。

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